●産業労働常任委員会でとりあげた二つ目は、かながわスマートエネルギー計画についてです。
2月17日の本会議で、日本共産党井坂議員の「既存住宅省エネ改修費補助を増額すべき」という質問に対し、知事は「既存住宅省エネ改修費補助は窓等を改修する簡易な工事のみで、省エネ化を図る取り組みを支援するものであり、ZEH(ゼロエネ住宅)の施工が難しい中小工務店が断熱改修技術を習得するきっかけを作る目的でモデル的に実施している。こうした事業の目的や内容から予算規模や運用は妥当」と答弁しました。
窓枠の改修工事は、ZEHの技術習得には繋がりません。この答弁の不可解さを問いました。
でも答弁は同じ言葉が繰り返されました。
既存住宅の省エネ対策はZEHほどハードルが高くありません。住まいながらできる比較的安価でできる工事だからです。だからこそ、2021年度は、4月23日に募集開始し6月11日には予算枠を使い切って募集中止に至っています。
この希望者が多い予算を県は減らし続けています。2018年度1000万円、2019年度550万円、2020年度450万円という具合です。
CO2削減に貢献するとともに中小工務店の仕事起こしにも繋がるこの制度の位置づけを高め予算も増やすことを改めて求めました。
これについては、「補助上限を引き下げているので、補助件数は減っていない」という答弁が返ってきてびっくり。「下げるなよ」という感じですが、ともかくも予算枠が少なすぎますから、増やすことを再度求めました。
「施策の優先度から増やすことはできない」との答弁。情けない話です。
●続いて取り上げたのは、企業誘致施策についてです。
企業誘致の目的を改めて問いました。「県内経済の活性化と雇用の創出」という答弁が予想通り返ってきました。
その目的に照らすならば、県内雇用実績を把握すべきと私は以前から求めています。誘致企業には実績把握の調査をしていますから、県内雇用の項目を設けるだけでできる簡単な話です。県内発注などは丁寧に把握しているにもかかわらず、県内雇用をなぜ把握しないのかと質しました。
「企業誘致のハードルを高くし、経済活性化にとってマイナス要因になる」との答弁。多額の税金を使いながら、何という腰の引け方でしょう!
2018年度の実態を調査していますが、関東近県と大都市を抱える18都道府県の内、企業誘致策が無い東京都を除く17自治体中12自治体で、府内・県内雇用という要件を設けています。これらの例を挙げながら、県内雇用を拡大する観点を盛り込む必要性を訴え、神奈川でも目安を示すべきと求めました。
これに対し「これ以上ハードルを高めることはできない」というのが答弁。
せめて、実績調査の際に県内雇用の把握をせよと求めましたが、「企業に過度の負担を与えるので、行わない」と。なぜこれほどまでに企業を思いやるのでしょうか。税金を多額に用い補助金を出しながら、不可思議な話です。
●他に、「地方版ハローワークの設置」については、安易に行えるものではないことを強調しました。また産業技術総合研究所の運営交付金については、削減せず安定的な交付金とすることを求めました。(2022.3.8)