●決算委員会3日目は、建設・土木などの分野が対象です。今回は、森林を取り上げました。
神奈川県の森林は昨年度で、約9万5000ヘクタール、県土の4割を占めています。その内、国有林が1万1000ha、県有林が2万8000ha、私有林が4万8000haとなっています。
森林は水源保有・環境保全・林業としての役割を担っています。神奈川県の森林はそれぞれの側面で、規模・質ともに順調に推移しているといわれています。
●最初に県土保全の観点から問いました。
台風19号による土砂崩れが、例えば、箱根町では国道・県道で14カ所、町道などで40カ所起きています。森林の状況だけを要因とすることはできませんが、直接的には災害対策の観点から、長期的には県土の保全という点から、保全林としてより強化することが望まれると見解を問いました。
「水を含むことには限界があり、コンクリートを用いた傾斜面の保存法も用いている」との答弁。
●20年間の整備協定を結び、私有地を預かり管理する制度もあります。協定の件数、既に満了となった件数、満了により返還された森林のその後を問いました。この森は水源保有の役割を果たしています。
「契約は1997年~2018年で5711件、満了は47件。返還後も巡視は行い、必要な対応は図っている」との答弁。
●木材を市場に出す林業という点からは、素材生産量が2011年度までの回復基調から、再び落ち込んでいる事の要因を問いました。(その後のデータはなかったのですが)
「木材の切り出しは冬季に行われ、雪の影響を受ける。大雪が降った年は、切り出しが困難となり生産量が落ちる。しかしながら基調としては、その後右肩あがりとなっている」との答弁。
●素材生産量については、適正規模とでもいうべき上限を設定しているのかを問いました。
「適切な森林整備の下に可能な範囲で、産出を行っている。上限を設けている訳ではないが、切り過ぎを避けると、自ずから限度は生じる」との答弁。
●これらのやり取り通じて、環境保全・水源保有・林業としてのそれぞれの役割に配慮しながら、健康な森林として発展させることを求めました。
他の課題と違って、心穏やかに(?)質問することができました。この違いは多分、施策が危険な方向を向いているとか、あらぬやり方を用いているとかではない分野だからだろうと思いました。
この違いに接して、1日目・2日目の「水道の包括委託」や「ヘルスケアニューフロンティア政策」の問題点を浮き彫りにしながら、もうやめるべきと投げかける質問の難しさを改めて感じました。(2019.10.25)