●ある相談をきっかけとして、「第27回神奈川県職員等不祥事防止対策協議会」を傍聴することになりました。
私は、いわゆる不祥事を、ことさら問題とするつもりではありません。不祥事といっても間違いから犯罪まで、さまざまな類型がありますし、個人の問題だけに帰することができないものも少なからずあると思っています。
今回も、個別の不祥事の内容を問題としたいわけではなく、どんな運営が行われているか参考にしたいと思ったからでした。
●傍聴は認められているものの、始まってから15分近くロビーで待たされました。「傍聴の可否を諮っているのですか」と聞きましたが、事務担当の方は中に気遣ってドアを開けようとも、状況を聞こうともしないため、つまりは、事情は分かりませんでした。
公開になっていながら15分も待たされていると、「えっ、何か傍聴者対策を練っているの?」などと思ったりもするものです。
●ようやく中に入れてもらえましたが、協議会の役割がよく見えてきません。
以前傍聴した「かながわ人権政策推進懇話会」では、委員がどんどん県の政策やその進め方に意見を述べ、民意に近づけるためのやり取りが活発に行われていると感心したものでした。委員の発言には拍手を送りたいものも多くありました。
それに比べると、会の性格が違うことを考慮に入れても、「協議会」の開催目的というか、何をこの会議で得ようとしているのかが見えてきませんでした。
●いわゆる「不祥事」などは、身内だけの納得では弊害が出てくる場合もあるでしょうから、このような会の設置は必要なのでしょうが、意義がすとんと落ちません。単発的な質問のやり取りに終わったような印象を受けました。
議題は「平成30年度不祥事防止対策の実施結果」及び「令和元年度不祥事防止対策」でした。この議題に対しても、実施結果についての問題意識や背景を探る意見、また新しい方針に対してももっと注文が出てもいいのになあ、などと思いながら傍聴を終えました。
●今回、私自身は防止対策などに意見を述べることはしませんが、来年2月には「内部統制制度」を設ける方針が示されていたのが、少し気になりました。地方自治法改正によるものとのことですが。
この類の会議開催も、仕事量でいえば職員の方大変だなあ、とも思いました。
こういうことを言えば、どこからか「一番大変なのは議会だよ」などと聞こえてきそうですが、二元代表制は、民主主義を現実のものにするためには欠かすことができないと思います。でもその場合でも問題は、内実ですね。(2019.8.21)