●24日の団長会議には驚かされました。
会議が終わりかけた頃、自民党から、委員会視察に関わる4年前の共産党の発言を正したいという提案がありました。
当時、「ベトナムへの水ビジネス視察は、県民福祉に資さない」という共産党の発言の撤回と謝罪を求めるという主旨でした。
共産党は、もちろんその発言の撤回はしませんでした。すると自民党は、「撤回と謝罪をしなければ、今後も共産党と委員会視察を共にすることはできない」とし、他会派の意見が求められました。
これに対し、立憲民主党・立憲クラブが、「一緒に視察に行けないというほどの溝は感じられない」としてグループ分けに反対しました。
他の会派は、自民党の見解に賛成。
●私が声を上げそうなほど驚いたのは、それからです。自民党は、立民に対しても「視察を共に行くことはできない」と言い放ったのです。ここまでエスカレートさせるか!と思いました。
でも、他の会派も、共産党と立民を別グループとすることに賛成したため、団長会の結論となりました。
●4年前、海外視察を批判しましたが、国内の委員会視察は、議案審査に関わりますから、共産党は4年間、グループ分けをやめるよう求め、共産党も視察に参加することを求めて来ました。
グループ分けといっても、議会局の同行もなく委員一人の視察となりますから、視察先との関係からも、実質的には困難です。
このような見せしめ的な対応で、審査に関わる視察を損ねる事は、有権者に対しても許されるものではありません。
●とりわけ異常と思われるのは、「意見が違うから」という理屈です。議会に違う意見があるのは当たり前です。議会の必須事項でもあります。異論の存在を許さないというのでは、議会を通じた民主主義は成り立ちません。
議会に限らず、町内会でも学校でも、つまり人間社会において、「意見が違うから、お前は一緒に来るな」という理屈が通用するでしょうか。
●選挙を経てもなお、この理屈に固執する会派の態度は本当に残念です。さらに「賛成しかねる」といった立民にまで、別グループを強いる態度には心底呆れました。
2016年に「ともに生きる社会かながわ憲章」を県と議会でつくりましたが、その議会で行われている事が、こんな稚拙なやり方です。まさにいじめの構造です。
この異常を克服しなければ、神奈川県議会が、共生を語ることはもちろん、民主主義や道理を語ることもできないだろうと思いました。
議会を変えることがいよいよ切実な課題です。(2019.6.24)