君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

文教常任委員会、教員増と「教育大綱」めぐって |君嶋ちか子|神奈川県会議員

2019年6月28日

●議案審査(本会議から委ねられた議案を審査)と所管事項(議員の判断で委員会に関わる必要な問題を取り上げることができる)についての常任委員会一日目です。
議決を要しない報告事項というのもあります。これはその先の定例会で議案になることが多いのです。
報告事項に関わって、教員の働き方の問題とかながわ教育大綱を取り上げました。

●教員の働き方をめぐって、混乱が生じています。
報告では、「教育の質を高めるために」として、次の2点を指摘しています。
*教員のワークライフバランスを通じて自らの人間性や創造性を高める。
*教員と子ども達が向き合う時間を確保。
この事自体は道理のある説明です。

ところが、その先がおかしくなります。その為の目標として次の3点を掲げています。
a.時間外勤務の上限の遵守
b.年次休暇平均取得日数及び学校閉庁日の設定と遵守
c.部活動のあり方に関する方針の遵守
それぞれ好ましいことですが、時間数だけでいえば、勤務時間は減る訳です。全体として、子どもと向き合う時間確保とは言い難いものです。

この事を指摘し、時間確保をどのように行うのか改めて問うと、「年休を取り易くなるから子どもと向き合う時間を確保できる」という答えが返ってきて、ガックリ。この二つの命題は、時間数だけでいえば逆のベクトルであることが、なぜ理解されないのか不思議。

●この二つを成り立たせるには、教員数を増やすしかありません。実はこの事を、当局も別の個所で認めているのです。「教育の質の向上と教員の働き方改革のためには定数改善が必要」と。
定数増の必要性を認めながら、国に求める事しかしていないため、本質的な議論ができなくなっているのだと思います。

私は、ここでも「教師が人間らしい生活をしながら子供とじっくり向き合う時間を確保するには、教員を増やすしかない。国の定数改善を待つだけではなく、県独自の財源を用いて、教員数を増やす」ことを求めました。

かながわ教育大綱(案)については、4年前の教育大綱から今回の策定に当たっての前進面を評価しつつ、何点か指摘をしました。
そのひとつは、教育大綱(案)にまで、知事好みの言葉がふんだんに盛り込まれている事です。最近好みのキャッチフレーズ「笑い溢れる」や「人生100歳時代」から「未病」「マグカル」まで。ここは知事のPRの場ではありません。「マグカル」などと言う訳のわからない造語がこんなところに盛り込まれている事に、恥ずかしさまで覚えてしまいます。
当局は、「知事がまとめたので」「反映されることはあり得る」との答え。
そもそも「大綱」って必要なの?という気持ちにもなりました。
大津事件をきっかけに、2015年の地教行法の改正により策定が義務付けられ、首長と教育委員の意思疎通を図ることが目的とされていますが。

●一方で、大綱にも掲げられている社会教育施設について、貴重な確認を得られました。
第9次地方分権一括法の成立に伴い、図書館・博物館などの社会教育施設を現所管の教育委員から、知事部局に移すことも可能になりました。
知事部局に移行すると、観光と一体となり生涯学習がおろそかになる、採算性が前面に出され地域に根づいた学びの場という役割が後景に押しやられる、等の懸念を示しながら、教育委員会所管で、地域の学びを支えることを求めました。
これについては、「引き続き社会教育の一体的運営を図っていく。知事部局への移行は考えていない」との答弁を議事録に残せました。

●本当に質問の時間が短いことが残念です。答弁含めて20分ですから。せめて委員会は、時間に縛られずに議論したいものです。
ちなみに、昨年からインターネット中継が行われています。写真はその画面です。(2019.6.27)

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