【茅ヶ崎保健福祉事務所】
●昨年の地方自治法改正により、中核市の指定要件は「人口20万人以上の市」に緩和されました。現在茅ケ崎市の人口は約24万人。
中核市移行をめざす茅ケ崎市は、それに先立ち保健所政令市移行を2017年4月に予定しています。県保健福祉事務所の業務が市の業務として行われることになります(一部を除く)。
現在当所は県の施設として、基本的に茅ケ崎市と寒川町を管轄区域としています。移行後寒川町域の業務は、県が茅ケ崎市に委託する予定です。このような委託は全国初です。
●1市1保健所の体制で、専門職確保や業務水準を保つことが可能か、などの懸念も示されています。また広域的な対応が必要となる感染症対策等でも不安が残ります。
●19日、茅ケ崎保健福祉事務所を訪れました。県議に加え、茅ケ崎市議、寒川町議、箱根町議等も一緒です。
1階にすべての係が配置され、かなり手狭です。2階・3階は相談室や会議室が並びます。
老朽化は激しく、県立施設に雨漏りは珍しくありませんが、3階の雨漏りは圧巻(?)でした。バケツが大量に置かれ、天井はシミや垂れ下がりがあちこちに。
県は移行に際しては、屋上の工事を行い、当面の使用には耐えるようにするという事です。また耐震は問題がないとのこと。移行後は市に無償貸与するとしています。
●職員の方との懇談では、移行後について、情報が限られないか不安、情報入手の仕組みづくりが必要、感染症情報システム構築の必要性などが語られました。
現在も市で新たに採用した専門職を研修のために受け入れています。また移行後は県の職員を一定期間派遣し業務にあたることになっています。
【神奈川県衛生研究所】
●1902年に横浜市中区において、ペスト検査所として発足したのが始まり。その後県の総合衛生試験機関となり、2003年に現在の茅ケ崎市下町屋に庁舎建設。2013年には分室を集約化、現在分室は小田原のみ。
公衆衛生情報の収集・解析・情報提供が主な仕事です。
●広い研究棟は、生物系実験室(細菌感染症・食品微生物・ウイルス・リケッチア感染症・食中毒等)、科学系実験室(食品・飲料水・医薬品・放射能等)などに分かれていますが、人に出会いません。厳重なセキュリティが必要という事もあるでしょうが、実に幅広い実験対象に対し、職員が足りていないような気がします。
県民の安全な生活環境を守る大事な砦です。設備・人員ともに充実させたいものです。学卒で仕事に就いた方が一人前に仕事をこなすようになるのに10年かかるといわれています。
●気になったのはPFI方式を用いていること。「エッ、こんな施設まで」と驚きました。研究棟の建設・所有、既存棟の維持管理、運営などが事業者によって行われているという事でした。運営は、県の主体性がより必要とされると思います。PFI事業者に任せることが適切とは到底思えません。(2016.8.19)