第2回定例会は6月21日、最終日を迎えました。この日は議案・請願・意見書に対する態度表明と議決が行われました。
県議会では、議案に対しての討論は、反対討論と賛成討論に分けられ、基本的に反対討論は、反対の論点のみとされているため、その他の議案に関わる補強や付帯する意見は述べられません。これらの枠にとらわれず議案全般について、状況に応じた議論ができると、より活発な議論につながるのではと思います。
今回も反対討論は共産党のみでした。木佐木議員が行った反対討論の主な点は以下の通りです。
(1)補正予算に関わって
県立体育センターの工事に関連しては、PFI方式に反対する立場から、補正予算については反対しました。
(2)保育士資格の基準緩和に関わって
保育士の資格を持たなくても、知事が認めれば保育業務に従事できる規定を設けることに反対しました。
新たな子供子育て支援制度では、「小規模保育所などでは、保育士有資格者は半数でいいとする規制緩和」によって保育士不足を乗り切ろうとしています。この流れに沿った規制緩和を県も行おうとしています。
保育の専門性やこどもの安全性確保のためにも、求められているのは基準緩和ではなく、保育士の処遇改善です(保育士の平均賃金は、他の職種平均より約10万円低くなっています)。
(3)看護学校授業料値上げに関わって
県立看護学校の授業料値上げの条例案に反対しました。
県は医療体制確立などを目指して教育環境の充実を図るとしながら、そのことを理由として、授業料現行17万1600円を21万7200円に値上げする提案をしました。
看護師不足の解消を図る方針と矛盾します(学生の経済的負担が増えれば、学校を続けることができないという声も聞いています)。また、経済的事情によらず学びの場を保障するのは「公」の役割です。
(4)請願について
「所得税法56条の廃止を求める請願」を不採択とした常任委員会審査結果に反対しました。
所得税法56条とは、事業主の配偶者や親族が事業に従事していても、その対価の支払いは必要経費に算入しないというものです。家族従事者は働き手として認められていないという事でもあります。この点は国連女性差別撤廃委員会からも度々見直しが勧告されています。
私達は、この請願は極めて合理性も必要性もあり、採択されるべきと考えています。(2016.6.21)