常任委員会が始まり、2日は産業労働委員会で私の質疑の日。私の質問項目は、少々なじみのない課題かもしれませんが、要約次の通りです。
1 中小企業支援プロフェッショナル人材戦略拠点の設置について
「攻勢的」に事業を進めるためのプロフェッショナルを紹介しますという県の施策ですが、私は「多くの中小企業にとって切実な問題は資金繰り・消費税・後継者問題等々であり、新たにプロフェッショナル人材を雇用する余地などない企業が多い」と指摘。地域経済の活性化という点からも「倒産・廃業を出さないための現実的な施策を」と結びました。
2 中小企業活性化推進条例改正案について
国では、同趣旨の法律において「5人以下の小企業」を位置付け論じていますが、県の今改正案では「20人以下の小規模企業」とひとくくりにしています。ある調査では小企業の数は全体の80.7%を占めています。とりわけ困難な状態にある小企業への施策抜きには地域経済の活性化は語れません。
審議会に小企業の「声が反映できる体制を確保」すること、「小企業発注枠の確保」などを訴えました。前者については検討するとの回答を得ました。
また改正案で特区との連携をうたっていることを挙げ、多くの特典を与えている特区で開発された事業から生じる仕事を、小規模企業・小企業などに振り分けることを求めました。
3 産業技術センターの独立行政法人化、「カスト*」との統合について
産業技術センターは、県内中小製造業の技術試験や開発などにおいて貴重な役割を果たしてきました。県がイノベーション創出に大きく傾く中で、現実に価値を生み出している今ある企業を、自治体が支えることの重要性を指摘しました。
独立行政法人化は、効率性・採算性を求められ本来の役割が果たせなくなっている例も多くあります。また、カスト(KAST)*との統合により、先端研究や新たな製品化などに伴うリスクを抱えながら、技術支援がおろそかになる懸念もあります。「報告書」などでも認めている現在の産業技術センターの役割を十分発揮させることこそ、今求められています。
これらの点から、独立行政法人化および安易な統合に反対しました。私たちが視察した時の職員の方々の生き生きとした説明や機械や実験に向かう姿が浮かびました。
*カスト(KAST)=財団法人神奈川科学技術アカデミー;大学・企業の共同研究・開発などを主な事業としている。
4 外国人家事支援人材の活用について
神奈川県は国際戦略特区に名乗り出て、少なからぬ事業を規制緩和の下で進めようとしています。その一つとして、女性の就労支援のために、在留資格を緩和し外国人を家事支援者として活用するとしています。
長時間労働の下で女性労働者の家事負担は確かに過重です。でも、家事支援者を雇える人がどれ程いるでしょうか。最も支援が必要なひとり親やダブルワークを担う人たちにとってそんな余裕は全くありません。
また、外国人の就労という点では、形態は違うとはいえ「外国人技能実習生」制度は、超過勤務手当不払いや性的暴力・いじめ、さらには国際的中間搾取、違約金契約など国際的にも批判されています。自治体が進んで規制緩和しながら行うことではありません。
働く女性支援を言うならば、長時間労働や賃金格差の解消、保育施設の充実こそ優先課題です(家事支援者の雇用より先に夫の家事参加でしょう!)。特区のこの事業はやめるべきと要望しました。(2015.10.2)