神奈川県社会保障推進協議会主催の「全県国保改善交流集会」に参加。
午前の全体会は、県職員労働組合総連合委員長の神田敏史さんの「都道府県単位化でどうなる国民健康保険」と題する報告。
都道府県単位化のねらいは医療費抑制にあります。都道府県が作る医療計画=医療体制と医療費の管理を一体化させようとしています。
市町村の独自減免制度を縮小させず、国庫負担の増額をさせていくことがやはり基本です。
午後は「はたらく女性の神奈川県集会」へ。
「女性たちの貧困~取材現場から見えた実態」と題して、NHK報道局ディレクター宮崎亮希さんから、映像を交えた報告がありました。
この番組が放送された時も強い衝撃を与えましたが、私は見ることができませんでした。
若い女性の就業実態は深刻です。高卒女性卒業時の正規就業は、わずか48%。非正規からスタートした例が報告されましたが、トリプルワークで月額10万、ダブルワークで月額13万などの例が取り上げられていました。3分の1が年収114万円以下との数字も。朝早くから夜遅くまで働き詰めでこの賃金です。
彼女たちは将来など考えようもないといい、願いはと聞かれ「普通に働きたい」と。
あるNPOが支える「頼る人がいない妊婦」は年間700件。そこから見えてくるのは、親や相手からの虐待・無知・貧困・精神疾患・つながりの欠如、などといわれます。
「シングルマザー歓迎」を募集の売りにしている風俗店も紹介されました。そこでは住まい・子育て・心のケア・居場所 をシングルマザーに提供していると、店主が誇らしげに語ったそうです。社会保障ができないことを自分たちがやっていると。寮が用意され託児所も運営されていました。
生活保護の申請時に「風俗があるでしょ」と言われ申請ができなかった、男性から「女は風俗で稼げるからいい」と言われた、などのケースも紹介されました。ここからは、保護や支援から遠ざけられる「女性」の姿が浮き彫りになります。
女性の貧困が「見えない貧困」といわれるのは、このような支援や保護にたどり着くことの困難が大きな理由です。見えないだけではなく、女性ならではの屈辱を受けながら、必死に働き子育てをしている女性の姿が映し出されていました。
現状のまま推移するならば、このような苦闘にもかかわらず、健全な社会には程遠いものとなります。
女性特有の困難とともに、貧困の底に横たわる「働き方」を変えることなしに、まともな日本社会を築くことはできないと、改めて(何度となく)思いを強くしました。(2015.10.3)