【米兵犯罪全て隠蔽】
昨年12月、在沖縄米空軍兵による少女に対する誘拐・性的暴行事件が起きていました。これがある記者の質問によって明らかになったのが6月25日。
さらに沖縄県議会の共産党質問により、昨年から現在までの米軍兵士の性犯罪は5件あり、そのすべてが隠されていたことが明らかになりました。12月の事件後にも、今年1月、5月に事件が生じています。
この間、23年2月には辺野古新基地「代執行」、24年4月には日米首脳会談、6月16日には沖縄県議選などの大きな課題が進行していました。
【抗議と申入れ】
7月5日、日本共産党神奈川県委員長と10県市の県内自治体共産党議員団長の名前で、防衛省・外務省に対し、抗議と申し入れを行いました。はたの君枝前衆議院議員・斎藤和子元衆議院議員・君嶋も同行しました。
【申し入れ項目と回答】
Q1 被害者の保護と完全な補償に万全を尽くすこと。
A1 防衛省として被害者に配慮し対応する。
Q2 事件発覚以来の事実関係と政府の対応の経過を明らかにすること。
A2 捜査に関わるので差し控える。公表するか否かは関係者のプライバシー保護など総合的に判断する。
Q3 事件・事故が発覚した際には、速やかに関係自治体に情報を伝えることを、制度として位置づけ徹底すること。
A3 具体的な事案に応じて判断する。プライバシーや捜査・公判への影響を考慮して判断する。
ただし、沖縄をはじめとした皆様の不安を考え、情報提供の在り方を検討中である。
Q4 リバティ制度の厳格化や実効性のある再発防止策を講じること。
A4 リバティ制度は自主的な規制であり米軍内部の規律事項である。防衛相から米軍に対して綱紀粛正・再発防止を申し入れる。日米間で連携協力していく。
Q5 日米地位協定を抜本的に改正すること。
A5 負担軽減に全力を挙げている。具体的な改善策もある。
Q6 米軍基地を縮小・撤去すること。
A6 日米安全保障に必要な施設であり返還はできない。地元の負担軽減に努める。
【情報共有を改めて】
なぜこの間情報が隠されていたのかを問うと、捜査当局の判断であるとしました。私が「公表の時期は別としても、最終的に全ての事件は公表されているのか」と問うと、「それはわからない」との答え。たまりかねて「ではどこが全容を把握しているのか」と問うと、「全容を把握している機関はない」との驚くべき回答が返ってきました。
米兵犯罪はもちろん重大ですが、地元自治体含めた情報共有の在り方が大問題だと思います。関係省庁と地元自治体が可能な限り速やかに情報共有するよう、怒りを込めて求めました。
夜のニュースでは、林官房長官が「捜査当局が公表しないものも、可能な範囲で自治体に情報伝える運用を開始する」と政府の対応見直しに言及していました。当たり前です!
林官房長官の対応見直しは一定評価しますが、政府の論理としては矛盾しています。
私たちには、全て捜査当局の判断とし、それ以上のことは外務省も防衛省もできないと言い張りましたが、その実、官房長官は「捜査当局が公表しないものも」「情報を伝える運用を開始する」といっているのですから。私は「ほら捜査当局の判断などと言う責任転嫁は嘘でしょ。政治的な判断であえて情報を隠したんでしょ」 とつぶやきながら聴きました。(2024.7.5)