住吉高校(21日)に続き、新城高校と川崎工科高校を訪れました。
● 新城高校は1963年以来の校舎を建て替え中、7月末の完成を控えています。ただし、一部の教室・体育館・挌技場は新築対象となっていません。
かつ、体育館・挌技場は耐震工事もなされていません。ちなみにこの体育館のIs値(耐震指標)*1は0.13という低さ。災害時、学校体育館などは避難所の役割を果たし、避難場所は小・中学校が基本とされていますが、この地域においては、新城高校も避難場所となっています。中原区などは人口密度から考えても、小・中だけでは足りないことは明らかですから、それは当然といえます。その役割も担う体育館がこの耐震度では、何とも心もとない状況です。
もっともこの二つは、大変老朽化しており、耐震工事というよりは建て替えが求められています。
*1~Is値(耐震指標)=文科省は小中学校においてIs値0.7以上を確保することが必要としています。神奈川県の校舎整備計画でも当面Is値0.3未満の施設を解消するとしています。
● 次に訪れたのは、川崎工科高校。
もっとも古い1960年完成の校舎を含め、老朽化が進んでいます。
私たちがショックを受けたのは、実習棟の雨漏り。バケツが二つ置かれ、工作機械には、雨水を避けるためのビニールシートがかけられています。さらに別の場所ですが、雨どいの工事のため屋根に上ったところ、屋根の傷みが激しく穴が開いてしまったそうです。とっさに梯子につかまり事なきを得たそうですが、この機械設置の上に落ちることを考えるとぞっとしました。
また、この実習棟はエアコンが設置されていないため、機械が動いていると異常な暑さになります。猛暑に加えこの設備状況は過酷な実習を強いることになります。「ものづくりを目指す生徒達もこの環境では、将来の仕事としても嫌気がさしてしまわないか」と思わず心配になってしまいました。
(実習棟)
(穴が空いた屋根)
● 『まなびや計画』*2に基づき、耐震化工事を優先しながら県の担当の方がご苦労されていることは理解できますが、必要性に追いついていません。今回の3校ともに切実な状況を抱えていますが、耐震化目的の大規模改修が優先となっているため、その状態に手を付けられないでいます。 *2~ http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6088/p446246.html
☆神奈川県が教育に使うお金の割合、高校においても全国最下位となっていますが、その結果ともいえる実態を目の当たりにしました。
県立高校に限らず、子育て・教育に神奈川県はもっとお金を使うべきです。生徒には安全で気持ちの良い校舎で、のびのびと将来への力を蓄えてほしい! 先生方には設備の心配をせずに教育に専念できる環境整備を!と思わずにいられませんでした。(2015.7.23)