「川崎の安全でおいしい水道水を守る会」の企画に、加藤県議と参加しました。
(発電電動機の前で加藤議員と。城山発電所)
● 谷ケ原浄水場
相模原市緑区にあり、神奈川県企業庁が管理しています。拡張を重ね、現在は相模原市、厚木市、藍川町の約45万人に水を供給しています。
ここの眼目は急速ろ過方式(薬品使用)と緩速ろ過方式(ろ過砂についている微生物使用)の併用。相模川の表層水と伏流水を6:4の割合でブレンドしています。
(緩速ろ過に使う砂の表面の付着物をはぎ取る作業 谷ケ原浄水場)
飲み比べると緩速ろ過はおいしいし、自然にもやさしいのですが、費用・処理能力の点から現在の緩速方式の設備が使えなくなった時点で、すべて急速方式に変わらざるを得ないだろうとのこと。どこにでもあるパターンですが寂しいですねえ。
● 津久井湖記念館
相模川最後のダム建設となった城山ダム。ダム建設は県・横浜市・川崎市・横須賀市の共同事業。水没地域の集落は8年半にわたる反対闘争を繰り広げました。ダム完成後にこの記念館が作られました。集落の生活ぶりを伝える写真、使用していた農耕道具・生活用品の数々、これらによって営まれていた生活が水に呑まれていった場面を想像すると、当時の人々の無念の思いが聞こえてくるようでした。
● 城山発電所
神奈川県直営の発電事業、日本初の大規模揚水式発電所とのこと。下池である津久井湖の水を上池である城山湖にくみ上げ、発電を行っています。
地下230メートルの発電電動機、揚水パイプ、機器類運搬のための長い傾斜トンネルなど巨大設備がダイナミックに動いていました。
これらの管理を行う監視制御室には、わずか3人。交代制を含む勤務はさぞかし大変だろうと思われました。お疲れ様です。
揚水発電は、需要の少ない夜間の電力により水をくみ上げピーク使用時の発電に備えます。エネルギーの安定供給を担っています。
● 戦前最大といわれる相模ダムも外観のみですが見学してきました。
● 同行していただいた水道博士ともいうべきI氏の解説は、施設解説にとどまらず、水をめぐる歴史・神奈川の工業史・ダム事業の評価など縦横無尽に繰り広げられました。
I先生、守る会の皆さん、ありがとうございました。興味深い旅でした。議会活動にも活かしていきたいと思います。
この日、国会で衆議院特別委員会は、無残にも安保法制を通過させたのでした。(2015.7.15)