●「JFE高炉休止に反対し職場を守る会(以下、守る会)」は、2019年から毎月川崎駅で宣伝行動に取り組んでいます。私も毎回参加しています。
●2020年3月、JFEスチールは「京浜の高炉休止」を発表しました。高炉休止は、事実上の廃止となり、工場全体の廃止にも繋がります。
JFE従業員1270人、関連下請労働者をあわせると4000人の職場が奪われます。JFEは倉敷(岡山県)、福山(広島)への転勤で雇用を守るといいますが、転勤できない事情の人は少なからずいます。
●この間、「守る会」の高炉休止に反対する取り組みとともに、日本共産党は、国会・県会・市議会においても、それぞれこの問題を取り上げてきました。
私も一昨年本会議質問で、神奈川県が「雇用と地域経済を守る」という点からJFEに「高炉休止の見直し」を働きかけることを求めました。
自治体は企業を呼び込むために多くの便宜を図り、多額の税金を使います。神奈川県や川崎市もJFEに対し、長い間助成など行ってきました。ところが、出ていく時や廃止の時には、関与せず「企業の経営判断」という言葉で済ませてしまいがちです。自治体として税金を用いてきたのだから、「経営判断」だけではなく自治体としての働きかけがあってもしかるべきと私は強調しました。
まして、JFEは2020年3月時点で1兆8千億を超える内部留保がありました。高利益率の追求ばかりではなく、雇用と地域に対する社会的責任を果たすよう求めました。
●これらの取り組み通じて、高炉休止の撤回は果たせませんでしたが、国・県・川崎市・横浜市による「関係行政機関連携本部」ができました。このような対策本部がつくられたことは県内においてはかつてなく、大きな成果といえます。合同面接会などもこの連携本部通じて実現できました。
●残念ながら、いよいよ今年の9月には休止が実行されます。発表以来、「高炉休止」に不安を覚えた人の離職も相次ぎました。少しでも有利なタイミングなどを見計らっての行動と思われます。また退職強要まがいの面談なども問題となりました。
それらを経て、昨年12月には約600名に転勤が内示されましたが、約120名が転勤には応じられず、近隣での再就職支援が待ったなしとなっています。
JFEの場合、下請けや取引業者が大きく影響を受けますが、再就職支援がいきわたってはいません。
依然として「高炉休止は知っているが、自社への影響や業務の扱いについては聞いていない」という人がいます。また「休止」を知らない人さえいます。
「守る会」としては、連携本部を通じて周知を図るよう求めていますが、JFE自体も2次下請けより先は把握していないと思われ、4次、5次となると雲をつかむような話ともなります。
一般的な不特定多数の方を対象とする面接会とは違いますから、事業者通じての周知が最も確実ですが、多重構造の下ではそれも容易ではありません。
守る会では、合同面接会の周知も行っています。
合同面接会は7月29日(川崎市内)、9月16日(川崎市内)、10月27日(横浜市内)、10月28日(横浜市内)に開催されます。(2023.7.8)