常任委員会で、議案への賛否を表明する意見発表の日です。その内容は以下の通り。
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日本共産党神奈川県議団として、当委員会に付託された議案につきまして、定県第138号議案・定県第139号議案を除く各議案に賛成する立場から意見を述べます。
定県第138号議案(p.47)は、「学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例の概要」とされています。そこには、令和5年度の改定として、管理職手当の支給対象に総括校長を加えることが含まれています。
また定県第139号議案(p.71)「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例の概要」は、「教育職員」に総括校長を加えるとされています。
総括校長につきましては、以下の理由から反対をします。
これまでの総括教諭の経験からも、同等の職層内に、さらなる階層化は設けるべきではないと考えています。本来の組織系統とは別の階層化が図られることの弊害が総括教諭制度から伺えました。
総括校長制度についても、校長間の序列、ひいては学校間の序列にもつながりかねかねないと考えます。
校長の職責は、自らの所属する学校に対して存在するものであり、他校の校長職を指導する責任は本来負っていません。それにもかかわらず、他校の校長への指導・助言などが職務として課されています。このことは、大きな負担であると同時に、それぞれの学校や校長の主体性・独自性を奪いかねません。
さらに、経験の浅い校長の人材育成という職務も課せられていますが、数十年教職を積み重ねてきた教員は、様々な立場を経験し、校長のあるべき姿もそれぞれに考察しているはずです。他の校長から指導・育成されることは、このような仕組みの下では押し付けにもなりかねません。
教育施策の立案・実施に向けた教育局との調整という職務も示されていますが、教育局と学校間の必要な調整は、すべての学校が対等かつ独自になされるべきです。総括校長が介在するとなれば、意図的ではなくても総括校長の意向が反映されかねません。やはり、教育局と各校の対等な関係を損ねます。
現に既に導入している東京都教育委員会におきましても、これらの懸念と同様の現象が起きていると聞いています。
これらの理由から総括校長制度には反対をし、定県第138号議案・定県第139号議案に反対いたします。
次に、所管事項として取り上げた「県立高等学校入学者選抜制度」について述べます。
アドミッション(スクール)ポリシーなるものを掲げた入学者選抜は、「各学校に期待される社会的役割」を踏まえ、「入学時に期待される生徒像」を示すとされています。
これらは、義務教育ではないとはいえ、公立高校において入学時に求めるべきではないと思います。公立高校の段階では、特定の人物像でふるいにかけるのではなく、全ての個性に対して学びを予定するべきだと思います。また高校段階で「各学校に期待される役割」「入学時に期待される生徒像」などを押し出すことは、期待されない生徒を排除することにもつながりかねません。
この点から「アドミッション(スクール)ポリシーに基づく入学者選抜」については見直すことを求めます。今後の県立高校の在り方、さらには入学者選抜制度において、生徒像に基づく選別などを行わないよう強く求めます。
以上意見・要望を述べて議案に対する態度といたします。(2022.12.14)