君嶋ちか子

きみしま 千佳子
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神奈川県議会議員
活動日誌

所得税法56条の根は深い |君嶋ちか子|神奈川県会議員

2019年4月27日

神商連(神奈川県商工団体連合会)婦人協主催の所得税法56条学習会に参加しました。
56条には、「事業主が生計を一にする配偶者その他の親族に」「事業に従事したことその他の事由により対価を支払う場合」「その事業主の(中略)計算上必要経費に算入されない」「その親族においては、支払いを受けた対価及び支出した必要経費は計算上ないものとされる」と記されています。
つまり、「生計を共にする親族は働いても、賃金はないものとみなし、事業主が賃金を払っても、それは必要経費と認めないよ」という事です。

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●この規定のルーツを、講師の浅井優子さんは、明治の家族単位課税制度にあると指摘します。1949年のシャウプ勧告を受けて税制の近代化が図られ、世帯単位課税から個人単位課税に変わっても、この同居する親族の合算課税制度が残されます。
56条の立法趣旨としては、「同居家族間の対価の支払いは恣意的に所得を分散する。それを防止するもの」とされています。
しかしながら、税逃れの恣意的な分散が仮に一部あったとしても、多くの親族である労働者が税制上一律に排除されているのは、いかにも不当だと私は思います。

●56条の見直しを求めて、度々神奈川県議会にも請願等が提出されています。
2016年には国連女性差別撤廃委員会から、2度目の見直しの勧告も受けていますし、各地の廃止を求める意見書は497自治体にも及んでいます。国も「見直しの指摘について検討していく」(かなり逃げの答弁!ではあるが)としています。
これらの動きがありながら、神奈川県議会においては、未だ採択されていません。
共産党はもちろん採択の態度を明らかにしています。

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●この日は、憲法と実態に照らしての検討が行われました。(以下は講義内容というより、私の所感ですが)
56条により生じている問題として、事業主においては、必要経費が過少に算定され税負担が重くなります。
働く親族においては、所得証明が取れず、証明が必要なサービスを受けることができません。また、経費として認められない賃金は安くなりがちです。
更に、私は、その労働が全く評価を得ていない、無いことにされているという点で、人格や存在の否定にまでつながるのではないかと思っています。

●たかが(失礼!)税法が、なぜこのような労働者の存在を否定する大胆なことができるのか不思議です。
憲法第13条・個人の尊重や、14条・法の下の平等に反すると思います。さらに、生計を一にする配偶者という場合、24条・両性の平等にも反します。

でも残念ながら、これが税法だけではない事例もあります。
労働基準法は、第9条で「この法律で労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用されるもので、賃金を支払われるものをいう」としています。ところが、116条の2項において、「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については適用しない」とされています。
このため、最低賃金法においても、除外されることとなり、労働基準法で定める諸条件と併せて、不利な条件が野放しとなりがちです。

●やはり、様々な法体系において、戦前の家父長制度の下で、配偶者や家族の人格、労働を認めていなかったことの名残りは色濃く残っていると考えられ、これらを理念と実態という点から捉えなおす必要があります。56条の見直しは、その契機としても大きな意義があります。(2019.4.24)

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