●書きたいこと書かなければいけないことはたくさんありますが、今年はここまでになってしまうかもしれないなーと。
一年間お世話になった方々、お読みいただいた方々有難うございました。新しい年を期して。
●怒り、呆れ果てるニュースは数知れずでしたが、報われる思いのニュースも少なからずありました。その一つが、渡辺航太君のことです。
22日に、グリーンディスプレイ青年過労事故死裁判を支援する会の総会がありました。その前日21日には第5回和解協議が行われていました。川岸弁護士はその報告集会で、こういったそうです。「闘いが、裁判官を官僚ではなく人にしている」と。
●月最高で152時間40分の時間外労働を強いられながら、入社半年後に航太君は、バイクで帰宅途中に電柱に激突し死亡。直前の勤務時間は連続22時間、仮眠もとれないまま極度の心身の疲労と睡眠不足の状態で帰路についた際に事故は起きました。
●22日の総会には私も参加し、以下の報告を聞きました。
*原告の主張をほぼ全面的に採用した完全勝利というべき内容。
*帰宅途中について安全配慮義務違反を認めたのは、先例的意義を持つ。
*航太君の過失割合を否定し、被害者に寄り添いきった内容。
<具体的には>
*負荷の高い業務内容・長時間労働・不規則深夜労働と事故の因果関係を認めた。疲労が過度に蓄積し、居眠り状態に陥った。
*被告会社の安全配慮義務違反を認めた。早朝出勤・深夜早朝退勤など公共交通機関は使用不可。会社の指示により原付バイクを使用。
*和解決定に再発防止策(勤怠管理の徹底、11時間のインターバルの導入、深夜タクシーチケットの交付など)を盛り込む。
*裁判所として、責任をもって会社に履行を求める。
●とりわけ意義が大きいのは、所見が本事案の社会的意義に全体の3分の2をさき、社会問題としての過労死・過労事故死を告発し、2度と同様の事件を起こさせないように社会に対しても発信するとしていることです。
私はあいさつで「派遣労働が増え続ける中で、雇用はないがしろにされ、働く人はもののように扱われることも少なくない。その状況下でブラック企業やパワハラも生まれ、過酷な長時間労働も蔓延している。正社員が当たり前の社会、8時間働けば人間らしく暮らせる働き方を皆さんとともに確立していきたい」と。「人間が守れる命は決して失わせない」という決意も。これは娘を失って実感した決意です。
●「航太に会いたい」といって泣いていたお母さん、支える会の皆さん、川岸弁護士はじめとした弁護団の皆さん、お疲れ様でした。正義はあると思わせてくれた勝利和解有難う!(2017.12.22)