●「改憲論議加速か」の文字が1面トップに踊ります。
東京新聞は「17日に行った情勢分析では、与党だけで3分の2維持する勢い。改憲5党では8割前後に達する可能性」としています。
自公の議席が現状を維持すれば改憲に踏み込むことは明らかであり、私達は度々そのことに警鐘を鳴らしてきました。
●2年半前の地方選挙の頃は、「憲法変えないで」という祈りにも似た切実な思いがあちこちに溢れていました。演説をする私たちのところに駆け寄り、「9条守ってください」と手を握る若者や「戦争は絶対だめよ」と強く語りかけてくる戦争体験者に多く出会いました。
その前年の衆議院選挙でも、チラシの受け取り方が違っていました。共産党に対する垣根が取り払われたようでした。共産党に対する期待をひしひしと感じました。
その後憲法違反を繰り返す安倍政権の下で、安保法制強行成立直後に、共産党による国民連合政府の呼びかけが行われ、画期的な市民と野党の共闘が広がったところです。「改憲反対、安保法制廃止」など四野党の連携も度々確認されてきました。
ファッショ的な政治運営や「森友・加計疑惑」に象徴的に見られる政治の私物化など、安倍政権の矛盾もより深まり、国民の目にも明らかになってきたはずです。
●その状況下でなぜこのような選挙予測が飛び交うか、が問題です。
第一には、野党共闘の分断です。希望の党の出現は、与党の危機的な場面で必ず現れる現象でしたが、四野党の共闘を一方的に突如破棄し、いわゆる第三局に身を投じた前原氏の犯した罪はあまりにも大きく、かつ新たな経験でした。
第二に、その結果分断だけではなく、国会冒頭解散で極まった政権の矛盾が、国民の前からピタッと姿を消すという現象が起こりました。希望の党の出現、それに続く前原氏による民進党解体を画策した合流劇は、またもや政治の劇場化を招きました。
二週間ほど、メディアは希望の党・小池氏と民進党、その後の立憲民主に独占され、安倍政権はその裏でほくそ笑んでいたことでしょう。
第三に、より深刻な要因として、憲法違反、国会のルール無視、自分の意に反する人間の排除など安倍政権のうち続くファッショ的な政治運営の下で、平和や民主主義に対する基準が鈍化する方向でずれていったように思います。
●事態は深刻です。安倍政権の凶暴さを早急により明らかにすることが必要でした。この数日そのことを訴え続けましたが、その取り組みも残すところあと一日。
秘密保護法・安保法制・共謀罪法が憲法改正後の日本で全面適用されたとしたら、日本は戦前の暗黒社会を再び招いてしまいます。慄然とします。
子どもたちに自由と民主主義を手渡せるか否かの瀬戸際にあります。残された日を精一杯戦い抜くことを決意する明け方です。(2017.10.20)