●代表質問はこの任期で最後になります。早いもので、2期目も残すところ10カ月を切りました。
代表質問で取り上げたものを、順を追って紹介します。
●【待ったなしのCO2削減】
神奈川県は危機感が圧倒的に足りないと思います。地域の活性化と農業振興、そして再生可能エネルギーを体現できるソーラーシェアリングを増やすために、現在ネックとなっている融資のハードルを下げるように求めたのですが、ゼロ回答。3年間で2件しか融資実績がないのにもかかわらず!
CO2削減の2問目は僅かに道が開かれました。
「再生可能エネルギー優先利用原則を確立するように国に求めよ」という質問です。現在の電力は先着優先であるため、再生可能エネルギーが接続できない場合があるのです。また電力生産が多くなると再生可能エネルギーの出力が制限されます。これでは従来の原発や化石燃料依存からから抜け出すことができません。この事態を切り替えることを求めたものです。
県はこれまでも全国知事会通じて国に再生可能エネルギー優先原則を求めてきたとし、国は、今年中に優先接続のルールつくりを始めるのではないか、県も引き続き積極的に関わっていくと明言。
●【インクル―シブ教育で欠落していること】
県の「インクルーシブ教育実践推進校の手引き」には、この教育のねらいとして「共に学ぶ経験を通して、生徒同士の理解を深め、多様性を尊重する態度、(中略)思いやりの心を育む」と記されています。
これはいいとして、ここに障がいのある生徒の学習権や発達保障が何故明記されていないか。
現に「共生の意識を育てるのは当然として、我が子の力はついているのか」という不安を抱えたお母さんからの声を複数で伺っています。また教師の側からも、個別支援が充分にはできない」「取り出し授業ができない」「体制が不十分」などの声を伺っています。
卒業後のことについても「実習先が確保できない」「障害者手帳を活用した就職指導ができていない」などの指摘があります。
障がいのある生徒の学びや進路指導を確実に位置付けることを求めましたが、充分支援しているとの答弁。現実に発せられている不安に答えようとしない不誠実な態度です。
●【国民健康保険料の引き下げのために】
収入が少ない人が多い国民健康保険が、一番保険料が高くなっている構造的矛盾を克服するために、今回は「自治体の一般会計からの法定外繰り入れ」を認めることを求めました。
これについては、構造的矛盾をカバーするためにより多くの国費の投入を国に求めて行くとの答弁。
二つ目には、今年の4月から未就学児に係る均等割りが50%に軽減されました。この点は評価しつつ、軽減をさらに拡充させることを求めました。これについて、こどもの対象年齢の引き上げなどを国に求めて行くとの答弁がありました。いずれも国に確実な履行を求めてほしいものです。
●【朝鮮学校学費補助を復活させよ】
神奈川県は、他の外国人学校には行わない教科書内容のチェックを朝鮮人学校についてのみ行い、かつその記載内容を理由として、2017年から学費補助を行っていません。
そもそも、行政が教科書記載内容に介入すべきではありません。朝鮮学校にだけ差別的介入をし、結果的に不利益を課している事は、政治的介入に当たるとして、見解を質しました。
これについては「拉致問題の記載がないので県民の理解が得られない。だから政治的介入には当たらない」との答弁で、全く質問に応えたものになっていません。(再質問したかったのですが、質問時間との兼ね合いで無理でした)
学費補助に先立って学校への経常費補助も行われなくなり、設備修理は業者に依頼することもかなわず、破損のままであったり、故障のトイレは埋められたりしています。24名の教員は8名減を余儀なくされ、今は2名復活させるも2割カット、遅配なども生じています。
この差別行為につて、県弁護士会は学習権を侵害し、憲法・国際人権規約・人種差別撤廃条約子どもの権利条約違反の疑いを指摘しています。
私達が傍聴した「神奈川人権政策推進懇話会」においても5人の委員から「高校生に非が無いのに行政が差別をしていいのか」という主旨の発言がなされています。これらをしっかりと受け止め、学費補助の復活を求めました。
これに対し、知事は、「教科書の改訂がなされていないから」と同じ答弁を繰り返しました。
現に生じている差別を黙殺する態度です。「共生」とか「差別を許さない」という知事好みの言葉が空々しく浮かびます。(2022.6.20)
(長くなりましたので、残る質問は次回ブログで)