●6月29日、コロナ関連の補正予算審議のため、急遽産業労働委員会が開催されました。
テレワーク導入支援、信用保証事業費補助とともに、中小企業等支援給付金事業費が計上されました。
●私が質問で取り上げた「酒類販売事業者支援給付金」は、県独自の支援金で、次の内容から成り立っています。
ア 売り上げが50%以上減少で、国の月次支援給付金を受給した酒類販売事業者等に対し、一カ月当たり中小法人上限20万円、個人事業者上限10万円を支給。
イ 売り上げが30%以上50%未満減少で、国の月次支援金の対象にならない酒類販売事業者等に対し、一カ月当たり中小法人上限20万円、個人事業者上限10万円を支給。
ウ 売り上げが50%以上減少のその他の業種の事業者に対し、一カ月当たり中小法人定額5万円、個人事業者定額2万5千円を支給。
エ 追加で、売上70%以上減少の酒類販売事業者等に対しては、一カ月当たり中小法人最大40万円、個人事業者最大20万円を支給という仕組みも。
●私は質問で、その他事業者への支給額が、酒類販売事業者に比べあまりにも少ないことを問題としました。
酒類販売等は確かにこの間の酒類提供禁止要請のために打撃を受けています。でも他の事業者も、事情はそれぞれ違ってもコロナの影響を受けています。
同じく70%の売り上げ減少があったとして、酒類事業者は最大で40万円、他の事業者は5万円という差が生じます。
「地方創生臨時交付金の協力要請推進枠を用い、8割の財源を賄うことができる」というのが背景です。この財源は酒類以外に用いる事ができないためにこのような不均衡が生じています。
この差を埋めるために、県の工夫が必要です。同時に国の交付金の要件を変え、実態に合った用い方ができるようにしなければなりません。他の業種への支援を強めるため、この二点を求めました。県の財源としては困難だが、国には要望していくとの答弁。
●もう一つの大きな問題は、月次支援金申請には、登録確認機関による事前確認が必要なことです。
登録確認機関として代表的なのが、商工会議所です。その取り扱い状況を聞くと、県内33商工会議所の内、会員限定が21カ所、地域限定が10カ所、非限定2カ所という実態です。これでは公正な制度として成り立ちません。実際非会員だからと断られた例を聞いています。
会費は横浜商工会議所の例でいうと、年額1万5千円~115万5千円です。この負担含め、合理的な理由なく特定の会への所属が条件になるのであれば、国や自治体の制度として不公正です。
会員・非会員の区別なく事前確認を行うよう求めました。働きかけていくとの答弁がありました。
また事前確認は、税理士・会計士・行政書士などが行うことも可能となっています。これに対し、国は1000円の手数料を払う仕組みになっていますが、この1000円は受け取らず、申請者に5万円の手数料を求めたという例も聞いています。
第一に、国の手数料に対する基本的構えは質されなければなりませんが、県としてもこれら士業に対し、制度の趣旨を十分踏まえるよう働きかける事を求めました。この点も県は「求めて行く」との答弁。
●酒類以外の業者にも、少なくとも同等の支援を行うこと、申請者に経済的負担を負わせることなく申請できる体制を整えること、この二点を要望し、中小企業等支援給付金事業費含む補正予算案に賛成しました。
協力要請が出ているかどうかの違いはありますが、現に起きている経営に対するダメージは理由の如何を問いません。全ての業種に対し、支援は行われるべきです。
また事前確認の様なハードルを、本来は用いるべきではありません。ひっ迫している経営に対し、機敏な対応が必要です。これらの要請に応える事ができるのは、つまるところ私達が度々求めている持続化給付金です。(2021.6.29)