●県政報告会とは別に、最初の当選から、一年ごとに「つどい」を行ってきました。ですから、通常「春のつどい」でしたが、コロナの感染状況により延期し、「秋のつどい」になりました。
秋になっても状況は変わらず、実施するかどうかも何度も議論をしました。
実施に当たっても、180人定員の部屋ですが3分の1に抑えるのが会場の方針で、これにも悩みました。結果、泣く泣く60人で締め切っていたところ、開催直前に入場制限解除との連絡。
3分の1は押さえ過ぎと思っていましたが、今度は状況も変わっていないのに、いきなり制限解除。この運用も疑問が残るところですが、急きょ解除のお知らせをして、2分の一に当たる90名の方に参加していただくことになりました。
●今回のゲストは、日本共産党ジェンダー平等委員会事務局長の坂井希さん。
共産党が綱領の中にジェンダー平等を掲げたことの意味をダイナミックに語っていただきたくて、研究者や運動家ではなくあえて共産党として語れる方にお願いしました。以下お話の一部を紹介。
▼冒頭、「ジェンダーを見つめることは、自らの来し方を奥深く探り、問い直すことだと考えています。今回共産党が、ジェンダー問題に取り組むことを党の方針の中央に掲げられたことは、日本社会に巣食う性差別や不平等を変革するとともに、大きく自己変革にも取り組まれるのだと理解しました。まるで新しい政党が誕生したかのような感動を覚えました」と、日本共産党28回大会に寄せられた岡野八代同志社大学教授からのメッセージを紹介。
▼「ジェンダー」とは何か。「社会が構成員に対して押し付ける『女らしさ、男らしさ』『女性はこうあるべき、男性はこうあるべき』などの行動規範や役割分担などを指し、一般には『社会的・文化的に作られた性差』と定義されていますが、それは決して自然にできたものではなく、人々の意識だけの問題でもありません。時々の支配階級が、人民を支配・抑圧するために、政治的に作り歴史的に押し付けてきたものに他なりません」。これは、28回大会(今年の1月)綱領改定案の報告です。
この社会的に作られた性差を無くしていこうというのが共産党の決意です。
▼日本の場合、この差別の根は、(1)明治期に教育勅語・旧民法・刑法などでかたちづくられ、(2)財界主導の役割分担論で強化されました。
この結果、現在の日本のジェンダーギャップ指数は、世界121位。経済参画と政治参画で著しい遅れとなっています。
経済参画においては、賃金格差是正・長時間労働の是正が必須です。女性の賃金は、男性の約5割です。また異常な長時間労働が、女性の正規雇用としての就業の障害となっています。
▼性暴力・ハラスメントも大きな要素です。
セクハラ禁止の法規定がない国は、OECD加盟36か国のうち日本・チリ・ハンガリーの3か国のみ。ILO「労働の世界における暴力とハラスメント禁止条約」を批准できる国にならなければ。
▼LGBTの方たちが抱える困難にも触れ、日本共産党は、その困難解消を共に目指す決意です。
●次の対談「ちか子の部屋」で、私は、ジェンダー平等を共産党綱領に据えたことの意味を問いました。
▼「大きな目標の一つであることは間違いがない。でもそれだけではなく、ジェンダー平等の取り組みは、日本社会変革のばねになり得るのではないか?だとしたらそれはどのように作用するのか?」と。
それに対し坂井さんは、政治が光を当ててこなかった人権に正面から取り組むことの意義を上げました。
確かに、政治が一段と根元的なものに引き上がります。政治や経済における格差や諸問題に取り組むのも、人間の暮らしを引き上げるためですが、そこに人権が物差しとして据えられるならば、より社会は豊かなものになります。
▼また、この場では語っていず、別の角度からの話なのですが、私が考えていたことの一つが、女性の低賃金と長時間労働の是正は、日本の働き方を正す大きな力となります。弱い立場に当たる女性の人権をとらえなおすことは、やはり人権を正しく存在させる大きな力となります。
▼共産党が目指す社会の骨格に、ジェンダー平等をきっかけとして人権がより位置づいたなと思いました。
●私のコーナーでは、代表質問とこの間のコロナに関わる取り組みを通じて見えてきたこと及びこれからの課題を語りました。
この内容は、長くなりましたからまた次の機会に。
準備と参加で協力いただいた方々、ありがとうございました! (2020.9.21)