●NPOかながわ総研主催の2020年度政府予算案学習会に参加しました。
予算案学習の前に<こばなしその1>
首相の所信表明演説に「オリンピック」は9回使用され、それに対し、「消費税」「景気」「暮らし」は0回。ヒエーッ!
<こばなしその2>
「桜を見る会」で膨れ上がっているのは人数だけではありません。内容が膨れ上がっています。
「招待者用茶菓」が、和食の立派なお弁当と和菓子などのセットに化けている…etc。その結果が、予算額の3倍以上に及ぶ5520万円の支出。2020年度概算要求では一気に5729万円を計上している無秩序さ。
お仲間をもてなすのに(もてなしは公選法違反)、どれだけ税金を気軽に使ってしまうのか。
本題は、ポイント何点かに限って以下に。
●<消費税>
「実質家計消費支出の推移」(図2)の推移を見ると、前回増税時(2014年)以降、落ち込みが全く回復していないことがわかります。10%増税前には駆け込み需要の力さえなくなっています。
当然ながら増税後の消費支出急降下とともに、その谷は、前回増税時を超えて深くなっています。
その結果、地域のスーパー(高知市)やデパート(山形市)の老舗が次々と店を閉じています。
そのスーパーは、売り上げの減少とともに、軽減税率のためのレジの購入、電子マネーによる資金繰りの困難が追い打ちをかけたと、「お詫び」の中で語っています。
このキャッシュレス・消費者還元事業として、新年度2703億円を計上しています。
一方でポイント還元登録は進まず、都内でさえ30%にとどまっています。
「消費税収の推移と法人3税、所得税・住民税の減収額の推移」(図4) を見て下さい。消費税増収分は、導入後32年間累計額で424兆円、対して法人税減収額が累計306兆円、所得税・住民税減収累計が280兆円。
経済活動の停滞とともに、明らかな大企業減税や、大金持ち優遇策の結果です。消費税が何に使われているかを如実に語っています。
●<国民健康保険>
2020年度は、国民健康保険に対する攻撃も強まっています。
保険者努力支援制度を通じて、市町村に赤字解消を迫り、法定外繰入(多くの市町村が、保険料引き下げのため、一般会計から国保会計に繰入補てんを行っている)の解消を求めています。赤字解消や法定外繰入の解消を積極的に行えば、同制度からの支援金を増やすという仕組みです。
私達は、質問通じて、国保料引き下げのための方策を求めてきました。神奈川県も一定その姿勢を保って頑張ってくれましたが、この努力者支援制度の仕組みでは、新年度、神奈川県も更なる試練にさらされます。
●<地域医療構想>
地域医療構想とは、端的にいえば、病床数を減らせと国が各都道府県に求めているものです。当局風の言い方では、「将来人口推計を基に2025年に必要となる病床数を4つの医療機能に分け、病床の機能分化と連携により、効率的な医療提供体制を実現する」となります。
厚生労働省の試算によると2025年必要量は、119.1万床。しかしながら、今までの調整では2025年見込み量は、121.1万床。このかい離を埋めることを、厚生労働省は求めています。
このための方策として「地域医療介護総合確保基金」を用い、「病床削減した病院等に対し、削減病床数等に応じた支援」を行うとしています。これを「新たなダウンサイジング支援」と国は言っています。
全くおかしな話です。病床数を減らすことに躍起になっているのがこの国です。
またここでも国保と同様、露骨な誘導が「基金」を用いて行われています。
この問題では、昨年「424公立・公的病院への再編要請」があり、神奈川県は10病院がリストに上りました。これに対する県の態度などは、前回ブログで報告しています。
●長くなりましたので、他の項目については次回。 (2020.2.5 )