●賀詞交歓会が続きます。いつまでやっているんだと思われるかもしれませんが、貴重な発見や出会いがそれぞれあるものです。あまりお話を聞く機会がない団体や業界の声を伺うことができます。
●23日の川崎市トラック関係6団体の賀詞交歓会では切実な声を伺いました。
トラックは今や物流の9割を担っているそうです。トラックが2日動かなければ、日常生活は完全にストップすると挨拶でも語られました。まさに日本列島の大動脈です。
でもそのような重要な役割を担っているにもかかわらず、荷主からも届け先からも厳しい要請を受け、過酷な働き方を余儀なくされています。長時間労働・低賃金の状態にあります。
「行き過ぎた規制緩和を見直してほしい」というのが挨拶の結論になりました。「これを特にお願いしたいのは公明党です。国交省頼みますよ。佐々木先生(公明党の佐々木さやか議員が出席していました)お願いします」と率直な挨拶が。
●トラック業者の8割は保有20台以下、5割は10台以下とも語られました。これらの小企業は直接荷主から注文を受けることはなく、大手に思いきり値切られる、と歓談の中でもお聞きしました。ここでも重層構造が働く人を苦しめています。
これらの挨拶受けて、自民党のある国会議員が来賓紹介の折に、挨拶で示された問題を意識してか「働き方改革しっかりやります」と語っていましたが、私は「安倍働き方改革でこの問題解決しないのに」と思いながら聞きました。
●やはり、規制緩和でトラック業者を増やし、必然的に運賃の値下げをまねいた結果といえるでしょう。大手業者は、運賃値下げに対応するために下請け業者を値切ります。下請け業者は、人件費をぎりぎりまで削減せざるを得ません。
低賃金の下、生活のために無理な行程もこなすことになってしまいます。長時間労働とともに労災が本当に心配です。
●アメリカでは、運送業の規制緩和と平行して社会的規制や運送会社の違法行為取り締まりを強化したといいますが、日本は放任といっていい状態です。
このような状態を目の当たりにしながら、他の分野を含め、なお規制緩和=善とする受け止め方が根強くあります。
しかしながら、規制には一定の道理があります。利益追求のために利用されてきた規制緩和の弊害にもっと敏感になってほしいものです。
でも、私達が、議会で度々規制緩和の負の側面を訴えても、なかなか共感は得られません。(2018.1.23)