●また忘れることができない日が増えてしまいました。6月15日、共謀罪強行成立の日です。
秘密保護法、安保法制、そして共謀罪、国民が強く反対の声を上げ続け、識者も警告を鳴らし続け、様々な階層・団体から反対の声明が上がり続ける中で、政権は強行成立させました。
●国際的にも懸念の声が続きました。国連人権理事会のケナタッチ特別報告者が「プライバシーや表現の自由を制限する」と説明を求めました。これは国連人権理事会の決議で授与された公的な権限に基ずくものです。
国連人権理事会の理事国でありながら、日本はこれを黙殺しました。「日本が、理事国選挙立候補の際に述べた誓約と全く違った方向に振る舞っていることに深く失望する」と氏は述べています。首相が度々口にする「国際社会と連帯して」の内実がこれです。
ル・モンド紙の記者は「国際組織犯罪防止条約に必要な法律は日本ですでに整っている。なぜこの法律が必要なのか」と述べ、元アメリカ国家安全局職員のスノーデン氏も「法成立すれば、監視が日常化する」と警鐘を鳴らします。
●今回の異常さは、法務委員会の採決を行わず、いきなり本会議採決を強行したことに象徴的です。加計学園問題という爆弾を抱え、早く国会を閉じたい、共謀罪審議もこれ以上耐えられない、という政権の思いの表れですが、ここまで国会軽視が進んでいることに愕然とします。
これでは、三権分立とは名ばかりで、国会は政権に認証与える下請け機関になり果てます。
数回に及ぶ首相を守るためのばかげた閣議決定、国会議員に対する侮辱、求められた答弁者ではなく勝手に答弁者を政権が決め、挙句の果てに応えようとする金田法相を実力で制止する首相の姿…数々のおぞましい場面が示すのは、もはや独裁者のふるまいです。
●「独裁者」というべき首相を擁し、ここまで国民無視・憲法無視・国会無視の政治を許していることが本当に無念です。
国会で行うべきだったのは共謀罪ではなく、加計学園に関わる疑惑解明です。この問題は、加計学園に対する便宜供与にとどまらず、日本の政治のあり方を問いかけています。
前川前事務次官が語ったように、「国民に公正・公平に提供されるべき行政が政治によって歪められている」という問題です。
ここでもやはり政治の私物化が進んでいます。日本の政治を本来の政治として成り立つよう国民の手に取り戻していく、この点からも加計学園問題を国会閉会で幕引きにすることなど許されません。
●同時に、国民の声を聞くという基本ができない強権政権を終わらせるには、国会の議席数を変えるしかありません。国民の皆さんにこの事を切実に訴えたいと思います。
ちなみに強行採決当日15日に行った宣伝では、チラシの受け取りも素晴らしく、手を振ってくれたり、会釈や目礼の多かったことが印象的でした。
徹夜国会明けのはたの君枝議員も駆けつけました。(2017.6.15)