県内最後となる川崎市の教科書採択、熱い思いで駆けつけた傍聴者は260名。180名の傍聴席が用意されていましたが、抽選に外れた人はロビーで、音声とガラス越しの傍聴となりました。
やはり不安は歴史と公民。でも、一人の教育委員が3社推薦する内の一冊に「育鵬社」を挙げたものの、歴史をゆがめる教科書の採択は許しませんでした。
その瞬間力が抜けていく様な不思議な感覚を味わいました。そして声には出さず「ヤッター」と。
保護者・教員・市民の力だと思いました。子どもたちに事実に基いた教科書・民主主義を大切にした教科書を使わせたいというまっとうな願い、そして粘り強い取り組みの力でした。
その先頭に立っていた方々の顔を思い浮かべると、涙がこぼれそうになります。また忙しい日々の中で度々の行動に駆け付けている沢山の方々にも敬意と熱い信頼を覚えました。本当に皆さんありがとう!
(委員会開催前の様子)
いくつかの「成果」と「問題点」を以下に記します。
【成果】
○ 長期間にわたり学習・請願・傍聴を含め、教科書問題の取り組みを進めてきたこと。
○ 教科書展示会のアンケートは、前回422件に対し今回は1605件。
○ 16日に先立つ緊急の11日委員会に対し、傍聴を確保するなど、市民の熱意を余すところなく伝えられたこと。
○ これらの結果として、育鵬社教科書の採択を許さなかったこと!
【問題点】
● 採択にかかわる議論は、教育委員の認識がすべてであり、現場意見を踏まえた「調査研究会」や「選定審議会」の結果が、全く斟酌(しんしゃく)されていないこと。
● 採択区を一つにする動きは育鵬社教科書採択と軌を一にしているが、今回今迄と違い、多くの場面で「4採択区ともに」が強調されていたこと。
● 教科書を決めるのは、このような採択制度ではなく教育現場に任せるべき! (このことは、的外れを含む長時間の議論につき合いながら、しみじみ実感しました)。 (2015.8.16)
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※採択された教科書はこちらです。