●市民運動によって「ひまわりの会」(現ハートフル記念会)が設立されたのは1989年。会は、地域に根差した特別養護老人ホーム緑陽苑(現あさおの丘)をつくりました。
この市民の思いこもった施設が、2010年の理事長の交替とともに変質し、異常な状態が続いています。
驚くべき内容の問題を多く抱え、裁判等は5件に上ります。
▼適正な人員配置が確保できない。理事長のやりたい放題の経営の下で、毎年約30名が退職。利用者に深刻な影響。
▼理事長にとって不都合な職員や組合員に対して、露骨な攻撃が続く。パワハラ・退職強要・不当処分などが横行。
▼理事長による法人の私物化(従来理事長は無報酬だったが、現理事長から月額80万に・理事長関連業者との癒着等)。
▼これらの問題で裁定された行政・司法の決定に従わない。まさに法治国家の否定・・・等々。
●今回勝利判決となった裁判は、新ホームの建築や設備の老朽化対策のための「緑陽苑ともの会」債権に対し、2014年突如返済が行われなくなり、法人が「債務不存在確認訴訟」を起こしたことから始まりました。
これに対し、ともの会は「貸金返還請求訴訟」を起こさざるを得なくなり、この2件は併合され、4月25日判決が言い渡されたという経過です。
判決は当然ながら、貸付金3311万3655円の返還を認めました。ただし法人は控訴するでしょうから、まだまだ裁判は続きます。
●夜の報告集会に参加しました。
勝利した「ともの会」からの挨拶とともに、攻撃が続く中でやめずに頑張っている残り少ない職員の報告は、園の実態をリアルに伝えます。「職員の退職が続く中で、デイサービス30人定員は10人に。以前は状態に合わせ7通りの食事を用意していたのに、今は冷凍弁当。厨房も撤退。職員があまりに入れ替わるので、顔もわからなくなっている」等々。まさに介護の崩壊です。
不当に解雇されている施設長、不当労働行為の認定がなされたにもかかわらず出勤停止が続いている分会長からもそれぞれ決意が語られました。
私は「この理事長の特異性は別格としても、介護や福祉の現場は多くの問題を抱えている。社会福祉法人が歪められているケースも例外ではない。職場のブラック化も進んでいる。緑陽苑の問題解決とともに、介護保険を初めとした制度上の問題抜きには介護の質を確保・向上させていくことは困難。皆さんと共に頑張りたい」旨の発言をしました。
どの分野でも深刻な実態を抱えながら、粘り強く誠実に利用者の事を考える人たちで支えられています。この人達を支える行政が存在しなければなりません。(2017.4.25)