私は、12月の代表質問で、神奈川県総合リハビリテーションセンターの指定管理者である神奈川県総合リハビリテーション事業団に起きている問題を、取り上げました。(指定管理者制度)
指定管理を受ける為に大幅な賃金引き下げを余儀なくされている、という問題です。
引き続き是正を求めていくために、2月26日県議団6人で当施設を訪れました。
多くの機能と施設を擁し、研究・開発等で全国の水準をリ-ドしてきました。今も学会発表・研究会参加・研修会講師など旺盛に展開されています。
また実践的にも、高次脳機能障害・神経難病など医療経済的に負担の大きい疾患を、積極的に受け入れているのも特徴です。
高度の専門性とともに、職員の方の仕事ぶりにも頭が下がります。「利用者の自立度を最大限高めて在宅へ」を目標とし、高い在宅復帰率や障害改善率も職員の皆さんの誇りです。
<当施設が開発し、パラリンピックなどでも活躍している人工スキー>
<就労支援まで視野に入れたプログラム>
<爪切り補助の器具>
<マヒが残っても筆記を可能とする器具>
この施設と機能に対して、指定管理に基づく賃金削減が行われています。最高年収削減額180万(削減率22.2%:事務職)という過酷なものです。「指定管理を受けるために已むを得ません」という説明が重く響きます。
高度の技術を有する理学療法士の方たちも、自己研さんの費用を含めこの賃下げでは持ちこたえられないと。多数の看護師離職者が予定されているのも、賃金削減が引き金となっています。
激変緩和措置が終わる32年度には、大量の離職で施設維持が困難になるという懸念も指摘されています。
この施設と機能にどれ程の県民が助けられてきたことでしょう。「ここまで回復した」と涙を流して話していらした利用者の姿が忘れられません。設立時「東洋一」を目指して、皆さん誇り高く献身的に仕事をされてきたといいます。
この県民・国民の財産を、自ら潰そうとしている神奈川県、その方便となっている指定管理者制度の罪深さに改めて怒りを覚えます。国や自治体の在り方が鋭く問われます。(2016.2.26)