●川崎市の賀詞交歓会は、いつも音楽に触れることができます。
今年は、ホール専属オルガニスト大木麻理さんによるパイプオルガンの演奏。会場となったミューザ川崎には立派なパイプオルガンがあります。大木さんのお話によると、ここのパイプオルガンは特に優れているとのこと。最近、高額に及ぶ整備をしたばかりだそうです。
この財産に、多くの市民が触れる機会がありますように。
●曲は、ヘンデルの「ハレルヤコーラス(オラトリオ・メサイアより)」、バッハの「小フーガト短調」、イギリス民謡の「グリ-ン・スリーブス」、エルガーの「威風堂々」。いずれもなじみのある曲で、楽しむことができました。
「威風堂々」は割と好きなメロディーなのですが、解説の文章「中間部に出てくる旋律は”希望と栄光の国”と題した歌詞がつけられ、イギリス第2の国家として愛唱されて」を読んで複雑な気持ち。イギリスが、世界に冠たる大英帝国として植民地を多く従えていた時代を想起したからです。日本における「君が代」と同様の居心地の悪さも感じてしまいました。
●市長は、昨年9月から続いているオーストラリアの森林火災にも触れながら、「防災と環境対策に全力を上げる」とあいさつの中で述べました。この点では同感です。国や自治体にとって最優先課題の一つだと思います。
例年、同日に川崎商工会議所の賀詞交歓会も行われます。ここには知事も出席しますが、知事の挨拶においても、オーストラリアの火災、SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」など、市賀詞交歓会の市長と符節を合わせたような話が続きました。
●神奈川においても川崎市においても、それだけ台風の被害が深刻だったことを物語っています。かつてない台風被害から、SDGsにおける目標第13「気候変動に具体的な対策を」は、当然念頭にあったのだろうと思います。
でも知事などがSDGsを語る時にいつも思うのは、17の目標の第1「貧困をなくそう」、第3「全ての人に健康と福祉を」、これらの課題を自治体の長として明確に据えてほしいという事です。
SDGsを口にすれば公正という評価を得られるかのように、軽く語られることが気になります。
安倍政権を終わらせるという課題とともに、自治体を住民本位に変えていく取り組みが、今年も始まります。(2020.1.7)