●まず、成果という点から。
一つは、津久井やまゆり園の再生基本構想についてです。住み続けてきた千木良と、今仮住まいをしている芹が谷2か所に分散してつくる方針を決めたため、その規模が問題となっています。
昨年11月、設計の構想を明らかにし、それぞれ88人規模としています。意思確認には時間がかかります。一方の施設に88人を超える希望者が出た場合にどうするか、というのが焦点でしたが、今回知事の口から「その時点で設計変更する」との答弁を得たのは利用者にとって、大きな安心材料です。
地域移行の流れは尊重しつつ、その問題とは別の次元で起きている問題として、突然の事件で住まいを奪われた利用者に、あくまでも希望する場所を確保することが本筋、と私は主張していました。
●二つ目に、津久井やまゆり園の運営に関わってです。あの事件以来の特異な状況の下、一層度を増した働く人の困難と利用者の不安やストレスが伝えられていましたから、「指定管理者の職場」を隠れ蓑にせず、県立施設の実態把握と問題への対応を行うべき、と求めました。
それについて、適切な対応を確保するため、私が提起した労働条件審査も参考にしていくと健康福祉局長が答えました。
労働条件審査というのは社会保険労務士会などの取組みで、指定管理者等公務を担う現場が増える中で、労働環境に問題があれば、良質なサービスの提供は困難になるとして、労働条件・労働環境のチェックや改善のための提案などを行うというものです。
●三つ目に、加齢児の受け入れ態勢について「可能な限り入所できるよう調整する」と知事の答弁があったことです。
18歳を超えても成人施設での受け入れが叶わず、障がい児施設で過ごす「加齢児」が県所管域施設で48名もいます。原則的には退所を求められ、この方たちは、行き先が見えない不安な状態にあります。県立障がい者支援施設の定員682名に対し、在籍は619名にとどまっている実態を示しながら、当面の入所先の調整を行うこと、今後の県内受け入れ方針を明確にすることを求めた際の答弁です。
●再質問を含めてこれらの条件を確保したことは、今後の問題解決に向け貴重な成果です。私はやり取りやメモ、さらに再質問や要望を考えながらの傍ら、心の中で「やった!」とつぶやきました。
●一方、ヘルスケアニューフロンティア政策についての、知事の感情的対応が際立ちました。
私の質問への具体的な答えは無く、いつもの説を一段と声高に力を込めて、という感じでした。議場では笑い(失笑?)やつぶやきがあちこちで。
私はここでもメモを取ったり、再質問を考えながらも「まずいな、批判したらさらにやる気にさせちゃうな」と、一瞬思いましたが、「いやいや、自治体施策の障害になっているこの政策、野放しにしておくわけにはいかない。もっと体系的に批判と提言行わねば」と、こちらもさらにやる気になった次第。
今回は、時間的制約もあり再質問は別の問題の確認のために用いましたが。
●この知事肝いりの政策の問題点、及び津久井やまゆり園や加齢児の実態、また他に取り上げた「国保運営方針」「県立高校改革」については、私の一般質問をご覧ください。(2018.2.21)