●川崎市議団の実力示す学習会でした。
丁寧な調査、よく準備された資料、そした最適の講師を得て、気持ちがよい学習会となりました。他県からの参加も少なくなく、遠くは京都からの参加もありました。
●お二人の講師の滲み出る優しさが印象的でした。
その一人、弁護士の南和行さん。学生時代に知り合ったパートナーもやはり弁護士。二人で法律事務所を開設しています。2011年に結婚し、仕事も生活も楽しくかつ自然に送っている様子が紹介されました。様々な葛藤は当然あったでしょうが、力まずに語られる来し方。
子どもの頃から「恋心」の対象は男であったこと、でもそれを言ったらいじめられると思っていたこと、同性愛は欠陥なんだと思っていたことなども語られました。
●もう一人の講師、息子さんが同性愛である中野区議の来住和行(らいじゅうかずゆき)さんは、4人の子育てが議員活動の原点と語ります。カミングアウトが「奥さんを通じて」だったことが父親としてショックだったと。戸惑いもありつつ、今は、他のお子さん含め家族の関係もより深まったそうです。区議として、性的マイノリティ(性的少数者)の権利保障にとりくんでいます。
●お二人のお話し通じて印象的だったことなど。
一つ目は、性の多様性について。
性的マイノリティといっても、L(レズビアン;女性同性愛者)、G(ゲイ;男性同性愛者)B(バイセクシュアル;両性愛者)、T(トランスジェンダー;体と心の性に違和感がある人)、だけではありません。性的な欲求を持たない人、男とも女とも思わない人、性を決めない人など様々です。まさに性はグラデーションというのがふさわしいのかなと思いました。
●二つ目に教育の重要性について。
性的マイノリティは、13人に1人の割合で存在するといわれます。教室においても性的マイノリティへの配慮は欠かせません。自己肯定感を持てるような配慮とともに、何より人権教育が求められています。
違いを前提として、誰もがありのままで生きることができる、ひとりひとりが人間として尊重し合える、等が求められていますが、教育がそのスタートになると思いました。
●三つ目に、行政や公共施設での配慮について。
更衣室、トイレ、健康診断、宿泊行事、書類の性別記入欄、等に配慮が求められています。
また同性パートナーを家族と同じ扱いとすることなども、各制度や施設利用にあたって必要です。(2017.7.9)