●「南武線ワンマン化の中止を求める川崎市民連絡会」が、シンポジウム「南武線ワンマン運転化で何が起きているか」を開催しました。約130名の参加で充実したやり取りが行われました。
冒頭、ワンマン化一年を経た南武線の実態と会のこれまでの取り組みを報告しました。
●最初に安藤陽埼玉大学名誉教授に、ワンマン運転化の背景について語っていただきました。
1.国鉄分割・民営化
・規制緩和・民営化の世界的潮流の中で、日本国有鉄道は1987年に分割・民営化され、JR東日本が誕生。
・ローカル線の廃止、第三セクター化、並行在来線の経営分離などを強行。職員削減による人件費抑制と、鉄道以外の関連事業への投資の拡大が図られた。
・JR東日本は、コロナ禍の赤字の下でも毎年377億円を配当し、2024年度には680億円まで配当を増額。
・「モビリティ」と「生活ソリューション」の二軸経営を推進し、「エキナカ」や「エキマチ一体開発」などを展開。
・運賃改定(2026年3月14日):「電車特定区間」10.4%、「山手線内」16.4%の値上げ。
・JR各社は、駅の無人化、ワンマン運転化などローカル線でのコスト削減とともに、都市圏でもホームや駅の無人化、「みどりの窓口」の削減、ワンマン運転の導入などを進めている。
3.公共交通としての責任
・JR東日本は、公益事業・公共交通の担い手として社会的責任を負っており、国民の移動する権利である交通権=基本的人権を保障すべき。
・社会的責任と交通権の視点から、安全性・安定性・利便性は必須であり、ワンマン運転化の見し、駅・ホームにおける人員の配置、ホームドア設置やバリアフリー化、適正な運賃設定などが求められる。
・交通権の視点から、ローカル線を含むJRの鉄道ネットワークの維持、バスやタクシーなどの公共交通の維持と活性化、安全輸送と適切なサービスの提供に、国やJRの責任が重要。
●パネラーの主な発言を紹介します。
<市視覚障害者福祉協会青年部長のNさん>
*ワンマン化後、ドア開閉時のトラブル増えている。
*車内にも駅にも職員がいなくなって、必要な時にサポートが得られない
*視覚障がい者は車の運転が不可能であり、電車が安全に使えなければ生活ができない。
<国労役員のWさん(現役車掌さん)>
*ワンマン化後、運転士の手当てが5万から2万円に減らされた。一体どういうことか。
*ワンマン運転では、病人などが出た場合電車を止めて対応しなければならない。
*いくらシステムが整えられても、技術と体験は必要。
*辞めていく運転士は多い。他の会社の運転士になった人もいる。
<JRと公共交通のあり方を考える首都圏連絡会事務局長のYさん>
*一件の重大事故の背後には300件のヒヤリハットがあるという「ハインリッヒの法則」に照らせばこのまま推移すれば大事故に至らないかと危惧している。
*働く人の労働条件の点からも重大だ。
*この間整備費予算を減らしている。整備不足の事故が大きいものだけでも首都圏で4件起きている。
<フロアからの発言>
*視覚障害のある方:白杖がドアに挟まれて怖い思いをした。
*ドアが突然締まり挟まれけがをした方;「このまま動き出したら」と考えると本当に怖かった。今も治療中。
*横浜線沿線の方:横浜線ではワンマン化に当たり遅延を前提にしているのか、「時間に余裕をもってお出かけ下さい」とのアナウンスを流している。
●3/15日からワンマン運転となった横浜線では、早くも4/18に東神奈川駅でドアが開かないまま出発してしまう事故が発生しています。(南武線では止まるべき駅に止まらなかったケースこれまでに4件)事故の詳述はここでは省きますが、4月だけで、南武線では43件・横浜線では37件の輸送障害(遅延を含む)が起きています。
シンポジウムの最後に安藤先生から「ヨーロッパでは鉄道事業には公的補助制度がある。イギリスでは民営化後死者を出す事故が起こり、公的所有に戻した」との例が紹介されましたが、住民の足を保障すべき公共交通を採算性のみで運営させないためには、公的補助も必要です。
私も閉会挨拶で「ことは南武線だけの問題ではなく、日本の公共交通のあり方を正す取り組み」と改めて強調しました。(2026.4.29)



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