●中西新太郎横浜市立大学名誉教授を迎えて、「若者たちと労働組合運動はどこで交わるか」と題し、講演と討論の場を設けました。主催の産労センターというのは、神奈川労連・神奈川県学習協・私も属するかながわ総研などで形作っています。
●中西新太郎氏の講演要旨を以下に。
1]参院選の結果は自公政権の終焉に至った。その背景というべき歴史的・社会的変化は次の通り。
◆新自由主義グローバリズムの行き詰まりに起因する転換。日本においては「成長経済の終焉」と「失われた30年」に象徴される。
◆格差と貧困の深刻化。とりわけコロナとその後の猛烈な物価上昇によって、生活破綻に直面する層が増大。
◆思いを政治に繋げる手法の変化。TVや新聞に見切りをつける層が増えネットの影響力が格段に増した。18歳~39歳の約7割がソーシャルメディアに移っている。「政治的無関心」層も「アテンションポリティクス(感情に訴えかける情報や刺激的な政治的戦略)」を受け入れた。
2]このような新自由主義の時代に生まれ育った人たちはいかに現実世界と交わるか。
◆新自由主義世代は、成功体験も少なく、「自己責任論」の呪縛もある。
だから弱者には「努力が足りない人」という評価を下しがち。周囲と手を繋ぐのは容易ではない。加えて、コスパ・タイパ重視が民主的プロセスを不要とすることが多い。
◆でも自己責任論に立脚したとしても、貧困は全世代を襲う。「Z世代の政治意識調査2023」によると「政治に不安を覚える」が81.3%に上り、「日本の政治は変える必要がある」と考える若者は77.7%に及んでいる。
◆この不安はソーシャルメディアと結びつき、結果、参議院選挙の投票率はアップ。これは画期的なことだ。7月の参議院選挙の投票率は、前回52.05%に対し、58.51%と引きあがった。ここに希望がある。
◆だがソーシャルメディアは危うさを併せ持つ。正確性や信頼性に難がある。
更にランキングアルゴリズムによって、どれだけ重要な問題であっても、興味の対象とならない限り、検討対象としては登場しない。ここに民主主義のプロセスを復活させることが決定的に重要。
◆多くをソーシャルメディアに頼るこの年代には現実との乖離も生じる。ランキング上位の情報が嵐のように押し寄せる中で行われた選挙が「日本を変える対象」にたどり着いたかと言えば、そうとも言えない。
◆文章より動画、政策よりキャッチコピーに惹かれる彼らに、とにかく情報をキャッチしてもらわなければ、事は始まらない。ネット上の工夫はもっともっと必要だ。
その工夫とともに、リアルの場でも政治を語れる場をつくり出すことは必須。リアルの場で「人間的関係をどのようにつくれるか」が今後の大きな課題。
☆この年代の感覚に対し、様々な違いを感じるけれど、数字を追うとこれまで「棄権」に終始した層が、選ぶ対象の妥当性は別として、選挙に参加してきたことは大きな変化だ。アテンションポリティクス(感情に訴えかける情報や刺激的な政治的戦略)の力は偉大というべきだろう。
この力を味方にすること、併せて実際の人間関係の中で影響力を持てるか否かが、中西さんの言うとおり決定的だ。希望とともに大きな課題を背負った気分。(2025.11.29)



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