君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

神奈川が築いてきた県立医療施設

2017年4月14日

議員団で二つの医療施設を訪問しました。

県立精神医療センター
●県立精神医療センター芹香(きんこう)病院が1929年に診療開始後、2014年にせりがや病院を統合し、神奈川県の精神科中核病院として、専門的医療・臨床研究・人材育成などを担っています。
医療観察法医療*・ストレスケア医療・依存症医療・思春期医療を外来・病棟にわたって行っています。
*医療観察法医療=心神喪失または心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った人に対して治癒及び社会復帰をめざす医療。

●保護室は、スタッフの眼が行き届くように様々な工夫がされています。また強化ガラスを用いたり、窓が開かない造りになっているなど、一定の制約を余儀なくされています。トイレのドアもついていませんが、人権と命への配慮のぎりぎりの選択の結果だといいます。

IMG_0724(保護室)

 新保護室・準保護室などがあり、状態に合わせ部屋も替わります。
一般病棟は、障子を用いるなどストレスへの配慮が行われています。日中過ごす場所も、気持ちよく造られていました。

 ドアノブ・手すりなどにも工夫があります。ひもが通せないようになっているのです。自死・事故などを避けるためです。その他、実際の医療行為の中で得た工夫や配慮が随所に感じられました。

IMG_0727(壁の手すりは溝だけで、紐などが通せない構造になっています)

 思春期病棟は、12歳~18歳を対象として、学習室や外部運動場など学習環境を整えるとともに、県立横浜南養護学校芹が谷(せりがや)学級(中学生のみ)が設置されています。

●看護師不足があちこちでいわれています。その状況を聞いたところ、施設が新しくなってから(本館は2014年に完成)、応募が増えているという嬉しい答えが。環境は、利用者にとっても働く人にとっても大事です!

 

県立こども医療センター
●1970年設立。329床の子ども専門病院と90床の障害児入所施設からなっています。医療機関や保健所からの紹介予約制です。
ICU病棟・ハイケア救急病棟・クリーン病棟など10の小児病棟、新生児病棟・母性病棟からなっています。

●最初に訪れたのが「祈りの部屋」。亡くなったお子さんを安置する部屋と知りました。通常地下に設けられることが多い安置室、天国に一番近いところとして6階に設けたそうです。

IMG_0731(祈りの部屋)

 母子像のレリーフとステンドグラスを通した光に優しく包まれていました。年間80人ぐらいの方が亡くなるというお話しに、この病院で治療を受けるお子さんたちの厳しい状況を思い知らされました。
病気と闘いながら亡くなっていった赤ちゃんや子どもがここに横たわったと思うと、涙が出てきました。最近失った娘のことも思い出しました。

 新生児病棟には、ICU病棟初め多くのリスクを負った新生児が、小さな体でまさに「懸命に」生きていました。一番小さいお子さんは、900グラムです。親の祈りのようなものを感じました。

IMG_0738(ICU病棟)

 重度の方が多い障害児入所施設でも、命の力とでもいうべきものを感じました。

 県立横浜南養護学校が併設されています。病状や学習進度に合わせてベッドサイド授業・グループ活動・クラス授業など形態は多様です。

 

●両施設ともに、実に専門性が要求されます。緊張度が高くかつ根気を必要とする仕事です。これらに献身的に従事する職員の方に、心から敬意を表します。
同時に経営や採算性の心配などさせず、医療に専念できる環境を用意できたら、どんなにいいだろうと思いました。
以前に伺ったリハビリテーション施設、障がい者支援施設、今回の医療施設等々、神奈川県が築いてきた財産を見る思いでした。この財産をさらに発展させなければと強く思いながら、センターを後にしました。(2017.4.11)

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